法律事務所といえば弁護士がいると思っている方が多いでしょう。
ところが、法律事務所に税務に関する相談をしに行く場合もあるのです。まず、税理士がいなくても税務に関する相談も税理士業務全般ができるのです。税務に関する業務は税理士の独占業務、つまり税理士以外が業務をすることが禁止されています。しかし、弁護士法第3条第2項には、弁護士は税理士の事務ができる、と規定されています。ですから、税理士がいなくても、弁護士に税務相談も可能なのです。
また、弁護士が税理士の看板を出して、そこに税理士を雇いいれれば、その税理士は勤務税理士ということで弁護士事務所内に税理士が在籍していることになります。税理士は会計にのみ強いだけではいけません。税法という法律の解釈ができなければ税金の計算ができません。
例えば所得税という個人に関する税目があります。この税金は所得税法という法律に基づいて計算されるのです。勘定科目や仕訳などの経費にどんな出費が該当するかは、所得税法に規定されています。それを、どう計算するかは税理士の会計的な手法に因るでしょう。つまり、税理士は会計人である以前に法律家だといえます。
税務当局と見解の相違などは税法の解釈の問題ですし、税務当局の処分に不服があれば、一定の行政手続きを経て訴訟になることがあります。このようなとき、弁護士であれば代理人になれますので税理士と相談しながら訴訟をすることもできるのです。税理士が法律的に困れば弁護士に相談し、弁護士が会計的な処理や細かい税法の規定を解釈できないとき税理士に相談するなら最強の事務所になるでしょう。
顧問弁護士豆知識
大企業?中小企業?個人向け?顧問弁護士にも得意な分野があるんです
何の職業のプロでも、得意分野がある、そうでもない分野があるのは当り前のことと言えます。オールマイティというのは、極くわずかな分野、わずかな人にしか存在しないと言えます。サラリーマンについても、大企業に向いている人、中小企業に向いている人がいます。それは、その人の性格とか、ものの考え方といったものにも左右されるからです。
法律の専門家である弁護士も例外とは言えません、個人向けの仕事が得意な人、中小企業向けの仕事が得意な人という具合に組織の大きさ如何で本領を発揮できる、そうでないと発揮できないということもあります。分野によっても異なります。商法の分野であるとか、労働法の分野であるとかという具合です。これも、その人の性格とか、ものの考え方にもよりますし、それまでの経験といったことも影響しているわけです。弁護士の場合は、取り扱った事例というのが、その人の財産となっていることも多く、また同じ弁護士仲間との交流や情報交換といったようなことも影響してきます。
そのあたりは、どのような仕事にも共通することと言えますが、弁護士の場合は法律の専門家であっても、世事とか、商売とか、人情とか、気質とかといった人間臭いこととは、やや疎遠で育ってきているところもあるので、やはり案件に関する経験がどのくらいあるかということが、結果的にはとても大きく影響を及ぼします。
言わずもがなですが、弁護士によって、報酬、顧問料の料金設定も異なりますので、その金額に見合う得意分野かどうかは前もってリサーチしておくことが大事になります。
知的財産 特許の取得方法
特許を取得する為には、特許出願書類を特許庁に出願しなければなりません。特許は先願主義であり、先に同じ内容の出願がないか調査しておく必要があります。その後審査請求を行い、審査されます。審査は特許の出願日から3年以内です。
特許出願の際に提出する書類には、特許願書、特許請求の範囲、明細書、図面、要約書の5つがあります。
特許願書は出願者の氏名、住所などを記載した書類です。受け付けられると、順に番号がつけられます。願書には特許出願料額の特許印紙を貼る必要があります。
特許請求の範囲は、特許を受けようとする内容の範囲を記載します。発明の内容や有効範囲を定め、明確に記載します。
明細書は発明した内容を記載したものです。技術分野の知識を持って、発明内容を解説したものです。
図面は発明内容の外観や内部を図で示したものです。こちらは必ず提出しなければならないものではありません。
要約書は特許がいかに活用されるかなどの概要を分かりやすく記載したものです。
特許出願書類の提出方法は、特許庁へ書類を提出する方法があります。特許庁の窓口へ行き直接提出する方法の他に、書類を郵送する方法があります。
もう一つの方法に、電子出願があります。こちらは特許庁が配布するソフトを利用し、出願書類を送信します。これには特許庁に対して一定の登録手続きが必要となります。
特許出願料と出願審査請求料については、特許出願料は一出願につき15000円の出願手数料が掛かります。さらに出願時には電子データ化するための手数料も必要となります。金額は一出願あたり基本手数料が1200円、書面一枚につき700円が加わったものとなります。
出願審査請求料は基本の11万8000円に合わせ、請求項数一つあたり4000円の費用がかかります。
知的財産 肖像権
肖像権とは肖像に対する権利のことです。この場合の肖像とは、主に写真や動画などの被写体のことであり、つまりは、それを勝手に利用してはいけないということです。さらに、この肖像権は、大きく分けると「人格権に基づいた肖像権」と「財産権に基づいた肖像権」に分類することができます。
まず、「人格権に基づいた肖像権」とは、被写体が、それによって生活面での不利益、つまり、写真や動画で見られたくないものを不特定多数に見られたり、それを見た相手からの嫌がらせや付きまといなどをされたりするようなことがないようにするための権利です。そのため、原則的に写真や動画を撮る際には、本人の許諾を得ることが前提となっています。これについては、基本的にすべての人間に対して無条件で認められています。
一方、「財産権に基づいた肖像権」とは、被写体が、それによって経済的な損失を被らないための権利です。つまり、著名人は、その存在自体に経済的価値があり、写真や動画などを公開されることで社会的な利益をもたらすことができるのですが、逆に、それによって経済的価値にダメージが出るようであれば、そのような行為は規制されるということです。そのため、基本的に、こちらは著名人のみに 認められる権利ということになります。
しかし、肖像権が認められている一方では、「表現の自由」も認められており、これらの2つの権利は、しばしば対立して裁判に持ち込まれることがあります。ちなみに、この時に、肖像を創作した撮影者などの権利を保護することになるのが著作権です。そのため、肖像権と著作権は似たような権利に見えますが、その対象が明確に異なるという点には注意しておく必要があると言えるでしょう。
知的財産 商標の種類
商標登録という言葉をよく耳にしても、その意味があよくわかっていないという場合があるでしょう。商標には、「文字商標 図形商標」の2種類が存在しています。前者は名称を表し、後者はロゴマークなどを表します。
商標の権利とはどういうものかというと、登録した商標を独占的に利用できるということです。第三者が使用するにはライセンス契約を行うことが必要となります。もし、それに反してしまった場合には、使用の差し止めや、損害賠償を請求することも可能になるのです。自分が第三者の商標を侵害してしまった場合には、同様のことを請求される可能性が高いので、必ずこうした権利関係については確認をしておく必要があります。
では、登録的ない商標とはどのようなものがあるかを見ていきます。それは、同一・類似の商標であったり、商品・サービスと同じ名前の商標であったり、商品・サービスの一般的な名称を表すものであったりです。世の中で既に出回っていたり、ありふれた名称のものを商標登録してしまうと、多くの人が困ってしまうからです。これらの他にも商標登録できないようなものはありますが、自分が実際に商標登録をしようと考えているのであれば、どれができて、どれができないのかを事前に調べつつ、どういった名称やロゴを使用していこうかを考えていくことが必要になることでしょう。
分からない点があれば、商標登録をした経験がある人に聞いてみたり、扱っている部署に問い合わせをしてみたりすることが大切になってきます。疑問点を残さないようにしておくことで、後々、後悔をするようなことがなくなっていきます。せっかく考えたのに使えないという場合が勿体無いので、調べておきましょう。
知的財産 意匠権
知的財産権の1つに意匠権があります。意匠権とは、物品や物品の部分における形状、模様、色彩に関するデザインに関する権利のことを指し、意匠法で保護される産業財産権に含まれます。企業においては商品を出す場合には重要な要素の1つとなっており、保護の有無によっては、業績にも大きく影響を与えることになります。
意匠権侵害事例としては、例えば、総合展示会などで新製品を発表したところ、意匠権侵害が指摘され警告書を発せられてしまうことや、逆に、他社で発表された製品が自社と似通っている場合などがあります。意匠権においては、物品の形状、模様、色彩やこれらの組み合わせを意匠として定義をしており、類似点がある場合には意匠権の侵害を問われることになります。意匠における類比判定は特許庁審査官や裁判所によって行われますが、結論がでるまでに時間がかかることが多く、業務に支障をきたさないためにも、事前に意匠権を取得しておくことが重要になります。
意匠減出願方法としては、特許事務所に委託をする方法と自分で行う方法の2つがありますが、委託をした場合には、概ね、1件あたり15万円程度の費用が必要となります。手続きの内容としては、まず、願書と図面を用意する必要があり、自分で行う場合には左から横書きで1ページあたり、1行で36字詰め、29行以内、文字サイズ10~12ポイント、A4用紙の縦長使用、不要な文字や記号、腺を記載しないなどで作成をする必要があります。複数枚数になった場合には上余白にページ数を記載し、閉じ方としては左余白の2ヵ所をホチキスで止めるようにします。書類は特許庁に提出をすることになり、出願の後に書類に関する方式審査と、意匠に関しての実態審査が行われることになります。審査合格後は権利化の手続きを行うことになり、ここでは、登録料の納付をすることで医療登録番号が付与され、初めて意匠権を取得することになります。
弁護士とトラブルになったらどうすればいい
昨今、自分が依頼した弁護士との間でトラブルに発展しているという事例が多発しています。
そもそもは、自分が何らかの困るごとがあるので、そのときの強い味方として頼りになるはずであった弁護士なのですが、いろんな経緯があって、依頼者と弁護士との間での紛争が急増しているのです。
一つには、弁護士は法律の専門家であるはずなのですが、中には弁護士の経験不足や知識不足が原因で、そこから問題が発生しているケースもあります。
というのは、以前に頻繁に起こっていた過払い返還請求の訴訟事案が終息し、仕事が少なくなった弁護士の多くが離婚事案に一気に流れていった、という側面があるのです。
現代では、ネット検索すれば、離婚事案の引き受けに熱心な弁護士が非常にたくさんいることが手にとるようにわかります。
ただ、そもそもは借入金事案を中心に仕事をしていた弁護士がいきなり離婚事案に携わるとなると、必ずしもすぐに存分に力を発揮するわけにはいきません。
こういったトラブルに対応するため、全国の弁護士会には、弁護士に関する苦情を受け付ける市民窓口を設けています。
弁護士の活動に納得できない場合には、まずはその弁護士の所属する弁護士会の市民窓口に相談することです。
東北の弁護士会連絡先でも、弁護士への苦情を受け付けています。
一部の弁護士には、単純に安定した収益になると見込んで、離婚事案に参入している人もいます。
実力不足の弁護士に依頼した結果として、深刻なトラブルが発生しているというのが実際のところです。
そういった事態に直面した場合は、すぐに苦情申し立てを行うべきです。
弁護士会の市民窓口 関西の弁護士会連絡先 紛議調停 懲戒解雇など、厳しい処分でもって対応しています。
顧問弁護士がいる場合といない場合の費用の違い
現在、企業が業務を行うに当たっては法務問題が生じるケースも多くなっていますが、行われている対応方法としては、大きく3つのタイプがあります。内容としては、案件ごとに弁護士に依頼をする方法、顧問契約を締結することで行われる顧問弁護士、企業内に法務部を設け弁護士資格を持つ人間を社員として雇い入れる方法があります。一般的には資格者雇用に関しては、大企業の場合がほとんどとなっており、通常の対応としては、顧問弁護士でない場合と顧問弁護士の場合によって行われています。
まず、顧問弁護士でない場合には、月額料金は不要となるものの、問題が生じた場合にはその都度、相談予約、弁護士事務所へ訪問、面接相談のプロセスを踏む必要があり、費用においても、相談料30分5,000円がかかることになります。また、業務において何もなければ費用は生じないものの、すぐに相談ができないことや依頼を断られてしまうこともあります。顧問弁護士の場合には、費用としては弁護士事務所によっても違いがあるものの、概ね、50,000円~/月程度かかることになります。反面、いつでも相談が可能となることや電話相談も行えることがあり、相談料などが新たに発生しないというメリットがあります。また、依頼が断られないことや優先対応してもらえる点もメリットの1つとなり、迅速な対応をすることが可能となります。弁護士の活用においては、一般的には訴訟関連が知られていますが、他にも様々な業務を行うことになり、例えば、契約書作成や書類の確認もその範囲に含まれることになります。契約書作成の場合には、原則、顧問料に含まれており、追加費用は生じないことになります。顧問弁護士でない場合には費用が掛かることになり、案件が多い場合などでは顧問契約をすることで効率化を図ることが可能となります。
就業規則
企業が人を雇うときには、就業規則を定め、労働基準監督署に届け出る必要があります。もちろん、労働者代表か労働組合代表者の意見を添えてということが要件です。
でも、ただ規則を作ればいいというわけでなく、就業規則の効力を生むためには、絶対的記載事項が規則に入っていることが必要です。
始業、就業の時刻、休憩時間、休日、年次有給休暇や育児休暇など休暇、交替勤務、賃金の決定方法、計算方式、賃金の支払い方法、賃金の締め切り日と支払の時期、昇給に関する事項、退職、解雇、定年などの定めと手続きがそれに当たります。
言わずもがなですが、定めても労働基準法の定めよりも悪い条件などの場合は法律違反ですから受理されることはありません。
これらは、届け出時点で、審査される項目でもあります。
これに対して、相対的必要記載事項というのもあります。
企業がその項目について定めをしている場合や慣習として実施している場合は、就業規則に記載しなければならないものとされています。
退職金が支払われる従業員の範囲、退職金の決定方法、計算方法、退職金の支払いの方法、退職金の支払いの時期、
賞与に関する事項、最低賃金額、従業員に負担させる食費や作業用品などに関する事項、安全衛生に関する事項、職業訓練に関する事項、災害補償及び業務外の疾病に関する事項、表彰ならびに懲戒の種類や程度などに関する事項、その他従業員すべてに適用する事項などです。
遺言書の作成方法
遺言書には、遺言者本人だけで作る自筆証書遺言と、公証役場で公証証書として作成される公正証書遺書があります。
自筆証書遺言は、遺言者本人が自筆で作成し、代筆、ワープロは認められません。
遺言書を作成した日、遺言者署名捺印は必要で、一つでも欠けると、遺言書の効力はなくなってしまいます。
公正証書遺言は、公証人と協力して作成し、証人が二人以上必要です。
公証人とは、法務大臣が任命する公務員で、一般的に、裁判官や弁護士などで30年以上の実務経験がある人です。
遺言者が原案を作成し、公証人と内容を確認、検討。公正証書遺言を作成する時に立ち合う証人を二人決め、
いっしょに公証役場へ行きます。
公正証書遺言の場合、遺言者と証人二人の証明書類、相続させる財産を証明する書類も必要となります。
相続人遺産を相続させる場合は、戸籍謄本、第三者に相続させる場合は、第三者の住民票が必要となります。
それから、相続させる財産を証明するもの、登記簿謄本や預貯金の通帳の写しなども必要です。
遺言書のメリットは、遺産相続の際に、相続人同士で話し合うことなく、遺言書の内容に従って、遺産を分けることが
出来るので、相続人同士でもめる可能性も少なくなります。
遺言書のデメリットは、相続人以外の人に遺産を渡したい場合、遺言書の内容により、遺産相続で争いが起こり、
人間関係が壊れてしまうこともありますし、公正証書遺言の場合は証人を必要とするため、証人から遺言内容が外部に
漏れる可能性があります。